仮想通貨考察

医療×ブロックチェーン!Medicalchainについて概要をまとめます。

こんにちは!医療×ブロックチェーンのICOが2月に予定されています。その名も「Medicalchain(メディカルチェーン)」です。実は先日プレセールも行われていたのですが、残念ながら私もプレセールでの購入は出来ませんでした(´・ω・`)

そして私は今週末にはMedicalchainのミートアップに参加してきます(*・ω・*) ICOのミートアップに参加出来るのは初めてなので、とても楽しみです!

今日はミートアップ前の予習も兼ねてこのMedicalchainについて、医者かつ仮想通貨投資家(たぶんこの肩書きのブロガーは少ないはず)の私が概要をまとめてみます。またミートアップに参加後に詳しい記事やリライトをしていこうと思いますので、今日はメディカルチェーンで出来るようになること、を中心にホワイトペーパーの内容などまとめていきますね。

Medicalchainが目指すもの

Medicalchainはイギリスの医師によって設立されたプロジェクトです。まず概要としては、以下は公式サイト(日本語対応)の説明文です。

メディカルチェーンとは分散型台帳技術を使用し、健康記録を安全に確保し、真実を保つ性質がある。医者、病院、研究所、薬剤師、健康保険会社と言った様々な機関で使用され、要求に基づき患者の記録に簡単にアクセスすることができ、さらに分散元帳と取引が可能である.

メディカルチェーンは健康記録の問題の解決策を提供している。このプラットフォームは安全に記録を保存や共有することも可能である。これをデジタル化することで数々の業界の相乗効果を生かすことができる.

公式サイト&ホワイトペーパーに記載された内容からは、Medicalchainの目指すものは大きく分けて以下の3分野と思われます。

  • ブロックチェーンを利用した診療情報管理
  • 遠隔診療を可能にする
  • 健康アプリケーションの開発

これらがMedicalchainが掲げる目的の概要になっています。

なかでもMedicalchainがメインとして掲げているのは、ブロックチェーンを利用した分散台帳で診療情報(つまりはカルテ)を記録し、これを患者主体で管理していくということです。また、Medicalchainのプラットフォーム上で診療費の支払いや、アプリケーションの利用などで利用出来るMedToken(MED)を利用して決済が可能になります。

更にイーサリアムプラットフォームを利用したスマートコントラクトを行うことで、多くの書類を必要とするような業務を効率化していくことも目指しています。医療情報って社会的にも法的にも重要な情報が多くて、結構書類業務が多い分野です。これが実現すれば私含めた医者の仕事もかなり効率化出来るかもです!

ホワイトペーパーは現時点(1/20)では英語のみ対応ですが、こちらからダウンロード出来ますよー!

Medicalchain White Paper

以下に概要をまとめていきますね。

ブロックチェーンを利用した診療情報の管理

最近は多くの病院で電子カルテが採用されていますが、もともカルテに記載されている診療情報というのはとてもプライバシー性の高いものなんですよね。

更にこの情報は原則病院や施設間毎に保管されていて、これってとても非効率です。患者が病院を移る場合は、とてもプライバシー性の高い情報なのでカルテの情報をメールで送るなんてことは出来ませんから、紙ベースで印刷した診療情報や画像データなどを患者自身に持ち運んでもらう(あるいは名前の部分を塗りつぶしてFAXとかすることもありますが)ことになります。場合によっては情報共有が上手くいかないと、前の病院でも血液検査されたのに、また次の病院でも同じような検査がズラリ…なんてこともあります。すごくアナログですよね…笑

そこで、電子カルテの診療情報、画像検査、血液検査なども全てブロックチェーン上に乗せて、病院間や施設間、はたまた世界の垣根を越えて情報を共有出来たらとても効率的になるでしょう!そのプラットフォームを作ろうとしているのがMedicalchainになります。ブロックチェーンを利用した分散型管理にすることでセキュリティ面もより安全な医療情報管理が行えるということです。

ホワイトペーパー中では電子記録された医療情報をEHR(Electronic Health Records)という言葉が頻発しているので、この先でもEHRという表現をしていきますね。

患者主体の診療情報管理

メディカルチェーンの一番のポイントはこの、患者主体で情報を管理していくという部分だと思います。

一言で言うと、「患者が自分のカルテ情報は自分で管理して、この情報に対して誰が閲覧可能なのか、と言ったアクセス権自体も患者自身が設定する」ということになります。

これを読んでいる仮想通貨やICOに興味のある方はそれなりに健康で若い人が多いように思いますが、それでも生まれてから一度も病院に行ったことがない人は少ないんじゃないでしょうか?でも、おそらく病院の自分のカルテなんて見たことってないですよね??

一応法律上は患者は自分のカルテの開示請求をすることが出来るので、「見せてくれ!」と言えば見せてくれるはずなんです。ただ、色々な書類手続きが必要になるので、多くの病院は手数料として安くても数千円程度かかります。ですので医療訴訟になるような場合でない限りはほとんどカルテ開示されることはないのです。

でも、自分の大切な個人情報なのに、請求しないと見せてもらえない上に病院で中央管理されているというのは患者にとっては不利な状況なんですよね。

そこでメディカルチェーンでは患者自身が自分のカルテ情報をP2Pの分散型台帳上で管理して、これを医療者が閲覧したり、そこに情報を書き込んだりする場合は患者自身が医療者のアクセス権を設定していくという仕組みを作っていこうとしています。

この患者自身がアクセス権を設定するというのはデメリットもあるかもしれませんが、とても画期的だと思います。ブロックチェーンを利用して異なる病院・施設間や国を超えても情報共有が可能になりますから、例えば旅行先で病院を受診したとします。自分の普段の診療録に、旅行先の病院の先生がアクセス出来るように設定すれば、旅行先の病院でも貴方がどういった健康状態で、普段どんな薬を飲んでいるのか、アレルギーはないかなどの情報が瞬時に閲覧可能になります。

IoTのウエアラブル端末とも連携

最近はIoT (Internet of Things=モノのインターネット)がとても注目されていて、健康管理を行えるデバイスが沢山出ています。

私も少し前にWi-Fi接続される体重計を買いました!(*・ω・*)笑 毎日乗るだけで勝手にスマホのアプリに体重が記録されていくので、レコーディングが面倒な人にはもってこいです。

またFitbitなどのウエアラブル端末で活動量や睡眠の質などを記録できるような商品も増えています。

メディカルチェーンではこうした端末から得られたその人の健康情報、心拍数や血圧や、運動量などもブロックチェーン上に記録して、患者がアクセス権を設定することで医師やその他の医療従事者もこうしたEHRを閲覧することが可能になります。折角こうした便利な健康デバイスが増えているので、この記録をスマホで眺めるだけでなく、医療現場でも生かせる情報になればとても役立つと思うのです。

保険会社や研究機関への情報提供

更に、こうした情報を患者自身の意志で研究機関や保険会社へ提供することが可能になります。

保険会社に情報を提供することで、例えば一日にどのくらいタバコを吸うのか、どのくらいお酒を飲むのか、運動はどのくらいかといった生きた情報を提供することが出来れば、自分の病気にかかるリスクなどからより最適な保険プランに入りやすくなります。

もともと保険業界はかなりマージンの手数料が多そうな分野なので、ブロックチェーンでのスマートコントラクトと相性が良さそうですし保険に特化したプラットフォームもありますよね。iXledgerなんかもそうですし。この辺りはどうやって共存していくのかはまだ未知ですが、保険は医療とも密接に関わる分野なので健康情報を上手く提供することが出来れば全体としてのコスト削減に繋がりそうです。

また、研究機関への情報提供も患者の意志で行えます。前述のように自分のEHRは自分が主体となって管理することになるので、患者側が研究機関に対して期限付きで閲覧のみ(書き込みは不可)のアクセス権を与えることによって機関側は研究に必要なデータを得ることが出来ます。

例えばですけど、高血圧の薬を飲んで、その効果を調べたい場合に病院で測る血圧データのみで結論を出すよりも、患者の普段の血圧がどのくらい変化しているのかというデータが得られるのはとてもデータとして価値があります。高血圧はある瞬間の血圧よりも、普段どのくらいの血圧で推移しているかが大切で、日常の血圧をコントロールすることが将来的な合併症の予防にも繋がるとされていますからね。

なので、こうした情報提供が可能になれば、よりこれから先の医療の発展にも貢献出来るのではないかと思います!

緊急時のブレスレットで意識不明時もOK

ただ、患者自身が自分のEHRへのアクセス権を設定するとなると、例えば突然事故にあって意識不明になってしまった場合など、自分の意志で情報提供が出来ない場合なども考えられます。

こうした場合には緊急時用のブレスレットを着用してこれを読み込むことで、名前や家族の有無、普段飲んでいる薬やアレルギーの情報など、必要最低限の情報のみ瞬時に確認することも可能になります。

すごいですね?笑 こうした緊急の場合にも患者のプライバシー第一なので、見られる情報は患者が事前に設定した情報のみになるそうです。

遠隔診療の実現

そしてこうしたブロックチェーンでのEHR管理を行うことによって、メディカルチェーンでは遠隔診療も実現しようとしています。

勿論実際に来て貰って診察しなければならないことも沢山ありますが、例えば病態が落ち着いていて定期的に経過を診て貰うだけなら長い待ち時間の後に実際に診て貰えるのは5分、なんてこともあるあるです。お医者さんも外来は忙しいので仕方ないのですが、それならスマホで遠隔診療で診て貰えたらとても効率的です!更に処方せんの発行もスマートコントラクトを使えばブロックチェーン上で可能ですし、それで近所の薬局で薬を貰うだけ、なんてしてしまえば患者側も助かりますよね。

また、セカンドオピニオンを得るためにわざわざ遠くの病院に行くのは患者側の負担も大きいですし、出向いた病院で再度検査をするのは患者の負担も医療費も無駄です。なのでブロックチェーンで情報を共有しながら、遠隔診療で世界中の医者の意見を聞くことが出来るようになれば患者にとってもすごく嬉しいですよね。

医師にとっても書類仕事が減る分遠隔診療は合間に出来るので、仕事の合間にスマホで診療をして収入を得る、なんてことも可能になるかもしれません。

後述しますが、診療費の支払いはメディカルチェーン上のMedToken(MED)を通して行えるので、決済もその場でOKということですね。

健康管理アプリケーションを開発

メディカルチェーンのプラットフォーム上に様々な健康管理のアプリケーションなどを作り、患者もそれを利用出来るようになります。このアプリケーションについてはまだ開発段階だと思われるので詳細はああまり記載されていませんが、MEDトークンを利用して支払いを行えるようになる予定です。

ウエアラブル端末などと連携して、健康指導をしてくれるようなアプリケーションが出来てきそうですよね(*´艸`)

MedTokenの活用

2月に予定されているICOで販売される予定のMedTokenについてですが、いくつかの用途が記載されていました。

遠隔診療時の医師への支払い報酬

遠隔診療、セカンドオピニオンなどで医師への診察料の支払いに利用します。処方せんの発行などをスマートコントラクトで行えばそういった支払いへの決済にも利用できそうですね!

研究機関や保険会社への情報提供の報酬

例えば研究機関へ自分のEHRを提供した場合には、報酬としてMEDトークンを患者が受け取ることが可能になるようです。医療情報ってとても大切なデータですからね。これに金銭的な価値をつけられるのは面白いかなと個人的には思います。

様々なアプリケーションやサービスへの支払い

これについてはまだ開発段階で詳細は記載がありませんが、メディカルチェーンのプラットフォームで提供される様々なアプリケーションやサービスを、MEDトークンで決済を行うことで利用できる仕組みが計画されているようです!

ロードマップは完成済み

そしてこのメディカルチェーン、かなり壮大な計画だと思いますが、実はイギリスで開発され既にβ版の運用がいくつかの病院で始まっています!

かなりこの記事長くなっているので、詳細は別の記事に書こうかなーと思っていますが、こうしたプロダクトが実際に稼動しているかどうかって、ICO参加する上では重要ですからね!私は応援の意味でICOにも参加するつもりですが、投資対象としても信頼出来るものじゃないかと考えています。

普及していくための懸念点

ここまでメディカルチェーンのすごいところばかりを書いてきましたが、WPを一通り読んでみて今の時点で私が気になっている点を少し書いていこうと思います。

既存の健康保険との兼ね合いは?

医療の分野って他の分野と違うのは公的な保険がかなり関わってくるところだと思うんですよね。例えば遠隔診療で診療費を支払う際の保険の扱いはどうするのか?といった点は国全体での扱いが必要になってくると思います。

例えば遠隔診療は保険適応外、なんてことになれば患者視点からすれば金銭的な利益は減ってしまうかもしれませんが、診療費が直接医師に入るのであればマージンが発生しない分メリットが大きくなるのかもしれません。

ただ、どこまで個人間での取引を可能にして良い分野なのかも少し気になるところです。「これからは個人の時代」とは言われますけど、医療ってやっぱりチームですからね、個人での取引には限界があるようにも思いますし、医師一人が背負う責任がますます重くなるのかな?というのが医療者目線での懸念点ですね。

より患者のリテラシーが問われる時代になる?

収入と平均寿命の関係は以前からニュースサイトなどでも度々話題になっていると思います。これって「お金がある=長生き出来る」というよりも一番大きな要因は「お金のある人は健康へのリテラシーも高い=長生き出来る」要因が大きいと思うんですよね。。。

例えば若くて糖尿病とか高血圧とか沢山病気抱えている人って口腔内の衛生環境がすごく悪かったりするじゃないですか。歯磨きしてんの、この人?みたいな。笑 これって別に所得は関係なくて、意識の問題だと思うんですよね。

患者自身が自分の医療情報を管理していくとなると、より患者側のリテラシーが問われるようになる気がします。そもそもウエアラブル端末をつけるような人って金銭的に高価なものだというのもありますけど、健康意識がもともと高そうですしね。これを通して例えば研究機関への情報提供をするとなるとかなりバイアスもかかりそうですし、これを実際に応用していくためには色々解決しなければならない問題が多そうに思います。

創業の始まりは”退院サマリー”から

最後に、Medicalchainの始まりについて少し。医療者はなるほど〜と思える話だと思うんです。

2016年に創業者のDr. Albeyattiさんが「退院サマリー」の形式が医師毎に異なっていたり、見にくかったりすることを指摘しました。

退院サマリーというのはその名の通り入院していた患者さんが退院した時にその経過をまとめたサマリーです。医師にとっても結構面倒な書類仕事の一つなのですが、医師がこれまでの経過を個々にまとめるので情報の抜けがあったり、読みにくかったりすることも多々あるんです。でもこの退院サマリーってとても重要で、ずっと同じ医師が担当するなら良いのですが今は医療も細分化されてそれぞれの専門の医師が一人の患者を診ることも少なくありません。初めて診る患者で、例えば色々な病気を持っているような場合にはこの退院サマリーはとても役立ちます。

そこで、形式を統一して情報の抜けがないような「退院サマリー」を作ることを目標として「Discharge Summaries」というのを立ち上げています。これがメディカルチェーンの始まりのようです。そしてここから医療情報をブロックチェーンを通して共有し、決まったフォーマットでの医療情報管理を目指していきます。

退院サマリーって確かに経過の長い患者の場合はまとめる医師も一苦労なのですよ。なので私は、これが形式化されて医師の手間が減らせるようにという目的はすごく共感できました!

最後に

英語のホワイトペーパーは37ページあり、技術的な面なども含めるととても一つの記事では書ききれないので今日はこの辺で終わります。

医者でかつ仮想通貨の技術に興味津々の私としてはこんな医療×ブロックチェーンのプラットフォームはとても応援したいですし、広まってほしいと思います!なのでこのメディカルチェーンについては、またミートアップの様子なども交えて追加で情報を載せていこうと思います(*´艸`)

ABOUT ME
エイミー
手術室にこもって麻酔かけてるお医者さん。投資や経済学に興味があって、仮想通貨やブロックチェーンなどのテック系にも興味があります。書きたいことをつらつらとブログに綴る雑食趣味ブロガーです(*´艸`)最近は医療系ブロックチェーンの解説とかもしてます。 詳細プロフィールはこちら Twitterも→Follow @amy_honobono