仮想通貨考察

ビットコイン8月の分裂までの経緯を分かりやすくまとめてみたつもり!

こんにちは!ビットコインのSegwit2xが延期となって、BTC価格はまた荒れていますねヾ(・ω・`;)ノ

ところで、ビットコイン保有者の方も意外とSegwitや分裂の経緯ってそもそも何かよく分かっていない、なんとなくしか理解していないという方が多いみたいです。私も最初の頃分裂騒動とか騒がれた当初はよく分からないまま仮想通貨購入を始めていました!( ̄◇ ̄;)

最近は色々と情報収集も出来るようになったので、だいぶビットコイン周辺の状況は理解してきました。そこで、今日はこれまでの一連のビットコイン分裂騒動で何が起こっていたのかを私なりに整理していこうと思います(*´˘`*)♡

ビットコインを巡る対立の背景

まずはビットコインの分裂の発端となっている問題について整理しておきます。

ビットコインの抱える問題点

対立が生じる原因はビットコインがいくつかの問題を抱えているということです。この問題は大きく分けて3つ。

  1. スケーラビリティの問題
  2. 一部のマイナーが大きな影響力を持っていること
1. スケーラビリティの問題

ビットコインは2017年に入ってから急激に知名度が上がり、それに伴って決済処理スピードの問題(スケーラビリティという)が生じています。本来10分以内に終わるはずの決済処理がなかなか行われない状態が慢性的になっているのです。

 

2. 一部のマイナーが大きな影響力を持っていること

もう一つの問題点は本来非中央集権的で、支配者のいない通貨であるはずのビットコインだが、この一連の問題を見ていくと分かるように一部のマイナー達が大きな権限を持っている状態になっている。この構造はビットコインの目指すところと異なってしまっている。

おおまかな対立構造

おおまかには、ビットコインのソフトウエア開発集団、コア開発者と呼ばれる人達と、ビットコイン取引の承認を行うマイナー達の対立が発端です。


画像:https://www.nikkei.com/article/DGXZZO19088090R20C17A7000000/

ソフトウエア開発集団

Satoshi Nakamotoからプロジェクトを受け継ぐ形でBitcoin Coreと呼ばれるソフトウエアを開発している人達です。ビットコインシステムを維持、管理してきたコア開発者で、ボランティア5人組です。

マイナーとマイニングプール

ブロックチェーンは非中央集権的ですが、取引を第三者的に承認する人がいます。この承認作業をマイニング(採掘)、承認する人達をマイナー(採掘者)と呼んでいます。マイナー達は承認時の手数料としてビットコインを報酬で受け取れる仕組みになっています。

この承認作業には膨大な計算能力を要するので、多くは巨大なデータセンターを持つ組織化された企業です。そして膨大なエネルギーを必要とするマイニング作業なので、マイナーの6割以上が電力の安い中国に集中しています。

このマイナー達の互助会的なものがマイニングプールと呼ばれています。

なぜ対立が生じているのか?

これは上述のビットコインの問題点解決を巡っての対立です。

1の問題を解決したい、というのは、ビットコイン関係者満場一致の意見です。。ところがこの解決方法を巡って、上記の両者で意見が食い違っています。

簡単に言えばマイナーは1の問題を解決しつつも、自分達の利益を減らしたくない。そのための解決策を提案しています。一方のコア開発者は1の問題解決と同時に2の問題も解決したい。そのための解決策を提案していますが、一部のマイナーの利益が大幅に下がることになり両者で対立が生じてしまっているのです。

8月の分裂までの経緯まとめ

1の決済処理スピードの問題はビットコインのブロックチェーンではブロックのサイズが1MBを上限としていることに起因していると言われています。1MBを超える取引が集中すると承認が遅れてしまいます。そこで、まずはこの部分をなんとかしようということでいくつかの選択肢がありました。

コア開発者の思惑

コア開発者はビットコインの問題解決のためにSegwit (Segregated Witness、BIP141とも呼ばれる) というソフトウエアの導入を打ち出していました。このSegwitは簡単に言えばビットコインの機能強化、アップデートに当たります。こうした仕様変更をビットコインの世界ではソフトフォークと呼んでいます。

Segwitが実行されるとルール変更により一時的にチェーンの分岐が生じますが、通常は長いチェーンが優先されるので一定期間を過ぎればすぐに今まで通りの取引が可能になります。

Segwit有効化の計画

Bitcoin Coreで2016年から配布しているソフトウエアの中に盛り込まれていた機能ですが、この分裂騒動時点ではまだ有効化されていませんでした。機能有効化には投票活動(シグナル)でマイナーの承認を得る必要があるのですが、影響力のある大手マイニングプールがSegwitの導入に反対していたことが原因です。

Segwitの特徴① – 取引容量の圧縮

これまでのブロック容量を圧迫していた送金者の署名データをブロック外に取り出して別管理ことで、ブロック当たりの処理能力を2倍以上に拡大出来るとされています。理論上は最大4MBまで容量拡張が出来ると言われていますが、実際の平均容量は2倍程度と考えられています。

ただし、後述するマイナー達は1MB→8MBへのブロック上限引き上げを計画しており、これに比べるとその処理スピードの上昇はわずかなものでです。このSegwitのみでこれからますます普及していくであろうビットコイン決済の処理スピードに追いつけるものではないというのは事実です。

Segwitの特徴② – トランザクションIDの変更不可

現在のビットコインの問題点の一つとして、↑には挙げませんでしたがトランザクション展性と呼ばれるものもあります。これは取引記録一つ一つに割り当てられるトランザクションIDというものだけは外部からの変更が容易に出来てしまうという問題です。マウントゴックス事件もこの脆弱性をつかれたのが原因と言われています。

特徴①で送金者の署名データをブロック外で管理すると書きましたが、署名データ以外にもトランザクションIDの計算に使われるデータも取り出す仕様となります。その結果トランザクションIDの外部からの変更も出来なくなります。

Segwitの特徴③ – ASICBoostの無効化

Segwitの中にはASICBoostと呼ばれる計算処理を無効化する仕様が含まれています。

ASICBoostとは大手のマイニングプールであるAntPool率いるBitmain社の共同創業者であるJihan Wu氏が開発し、特許も取得している技術です。この処理を用いるとビットコインのマイニングで必要なハッシュ関数の処理速度を2割ほど向上させることが出来ます。

Segwitが有効化されるとどうなるのか?

まず、上述のASICBoost無効化の仕様が何を目的にしているのか?

Bitmain社は既にこの仕様を取り入れ、膨大な計算能力を提供していたのですが、こうした一部のマイナーが独占状態となっていることを問題視する声があります。そこでコア開発者はこの仕様を取り入れたのですが、当然このASCIBoostでマイニングによる利益を得ているBitmain社を始めとした一部のマイナーはこの仕様に反対します。

また、Segwitが行われると取引の容量が圧縮されるため、マイニング費用も下がりビットコイン決済時の手数料が下がると考えられます。現在マイニングは資本力のある企業に独占された状態で、この独占するマイナー企業がビットコインの今後について主権を握っている状態に繋がっています。この状態を解決すべくコア開発者が提案しているのがSegwitだったのですが、当然これまで資本力でマイニングを独占していた企業からすればこれは面白くないわけです。

マイナー達の思惑

上述の点からSegwitに反対するマイナー達は、このような仕様変更いわゆるアップデートではなく、ブロックの上限を1MB→8MBに引き上げていくブロックチェーンの大幅改造計画を提案します。こうして自分達のマイニングの優位性は損ねず、スケーラビリティ問題を解決しようと提案しました。

このような変更を行うと2つのルールに基づいたブロックが生成され続けてしまい、本来「分岐のない一続きのチェーン」であるはずのブロックチェーンに恒常的に分岐が生じてしまいます。この恒常的なブロックチェーンの分岐をハードフォークと呼びます。

Bitcoin Unlimited

Bitmainなどの大手マイニングプールが、Segwitの導入を防ぐためにブロックサイズの拡張をうたって立ち上げたのがBitcoin Unlimitedです。

後述のビットコインキャッシュのハードフォークを実施します。

2017年8月の分裂騒動とは何だったのか

ここまでの背景を踏まえて、まずは8月の分裂騒動は何が起こっていたのかを簡単にまとめていきます。

コア開発者によるUASF

UASFとは、User Activated Soft Fork (BIP148とも呼ばれる) の略で、直訳するとユーザーが選択するソフトフォークです。

コア開発者は、マイナーの反対によってSegwitの導入を進められずにいました。そこで、「2017/8/1にマイナーの合意なしに強制的にSegwitを導入する」ソフトフォークを実施する姿勢を示しました。これをUASFと呼び、Segwitを有効化していないマイナーの生成したブロックをユーザー側で拒否する仕組みです。ソフトフォークなのでチェーンの恒常的な分岐は生じません。

しかし、もしもこれが実行されると、この時点でSegwitを有効化していないマイナーの処理能力が一時的に失われます。するとビットコインのブロックチェーンネットワークが大混乱になると考えられました。

Bitmain社によるUAHF

Segwit導入に反対をしていたBitmain社を中心として、一部のマイナー側はUASFに対抗したUAHF(User Activated Hard Fork)を行う方針を打ち出しました。直訳するとユーザーが選択するハードフォークですが、先行するUASFに対抗して立ち上げたもので特にユーザーに選択権が委ねられるわけではありません。

つまりはこのままSegwit導入をするのなら、自分達はビットコインをハードフォークさせて別のルールのチェーンを分岐させてマイニングするぞ!と言い出したわけです。

解決策としてのSegwit2x

こうした混乱の中で、2017年5月にニューヨークで会合が開かれました。この時に導入されることになったのがSegwit2xです。

Segwit2xはハードフォーク案で

  • UASF実行前にSegwit導入をする
  • ブロックサイズを1MBから2MBへ半年以内に引き上げる

という内容を含み、Segwitと比べて有効化の閾値が低く(つまりマイナー達も導入しやすい)、ASCIBoostが引き続き利用可能な仕様となっています。

つまり、ひとまずUASF実行前までにSegwitをみんなで導入した上で、近いうちにブロック容量も引き上げましょう、という折衷案が出されたのです。そしてこの時に予定されたブロック容量の増量が今回騒がれていた11月に予定していたSegwit2xのハードフォークです。

このSegwit2x導入は2017/7/21時点でマイナー側の合意も確認され、23日にはSegwitは有効化されました。

ビットコインキャッシュの誕生

Segwit2xの導入でひとまず騒動は解決したかに思われましたが、Segwit反対派によるBitcoin Unlimitedは8/1にブロックサイズの拡大の仕様をを盛り込んだハードフォークを実行しました。このハードフォークを主導したのはviaBTCと呼ばれるマイニングプールです。Bitmain社と水面下でのつながりが指摘されていますが、Bitmain社は否定しています。

この時に分岐したチェーンがビットコインキャッシュです。一部のマイナー達がこれまでビットコインで行っていた処理能力をそのままビットコインキャッシュの処理能力へと引き継ぐ形となりました。

残りのマイナー達は既存のビットコインのルールに基づいたブロックの生成を続けるため、チェーンの恒常的な分岐が生じました。

ユーザー側から見れば8/1より前の記録はビットコインとビットコインキャッシュの異なるチェーンで残る=すでに所有しているビットコインと同数のビットコインキャッシュが貰えるという結果になり、結局のところ誰も損をしない結果に終わったのがこの時の分裂の結果です。

Segwit2xの案でまとまったのになんで分裂したんだ?と思いますが、マイナー達は自分達の主張が通らなかった場合にBCHに移れるように予防策を張ったのかなと思われます。

ここまでのまとめ

これが8月の分裂までのまとめになります。

特定の管理主体のいないはずのビットコインのはずですが、やはりこうした問題を解決するためには結局管理者が必要になってしまっています。「民主的なお金」のはずが結局影響力を持ったマイナー達の権限が強くなってしまっています。

こうした経緯からビットコインの新たな問題が浮上してしまったとも言えますね(´・ω・`;)

それにエイミーはこの分裂を見て、ビットコイン保有者にビットコインキャッシュがそのまま与えられた=ビットコインが2倍になったんだと思うと、不安です。ビットコインは上限があって希少性があるからこそその価値が保証されていたはず。なのにこんなに簡単に2倍になっちゃうなんて(@o@ !!(簡単というと語弊があるかもですが)

次の記事では11月のSegwit2x計画についてもう少し詳しくまとめられたらと思います!

ABOUT ME
エイミー
手術室にこもって麻酔かけてるお医者さん。投資や経済学に興味があって、仮想通貨やブロックチェーンなどのテック系にも興味があります。書きたいことをつらつらとブログに綴る雑食趣味ブロガーです(*´艸`)最近は医療系ブロックチェーンの解説とかもしてます。 詳細プロフィールはこちら Twitterも→Follow @amy_honobono