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呼吸商について考えるとウォーミングアップの意味と効率のいい運動法が分かる

早速ですが、呼吸商という言葉、ご存じでしょうか?

医療従事者の方は言葉くらいは聞いたことあるかと思います。

呼吸商とは?

私達は酸素を吸って、二酸化炭素を放出しているのは自明のことと思いますが、この時に放出された二酸化炭素に対する酸素の比率を呼吸商(RQ)と読んでいます。

つまり、数式で書くと

呼吸商=呼吸で放出した二酸化炭素(CO2)の体積/呼吸で吸収した酸素(O2)の体積

ということになります。

呼吸商はどういう意味を持つか?

私達が普通に生活している時の呼吸商はおよそ0.86くらいになると言われています。つまり、酸素を100消費して、二酸化炭素を86消費している計算になります。

この値がどんな時に変わってくるかと言うと、代謝のエネルギー源によって変化します。結論から言えば脂質代謝の割合が増えると呼吸商は小さくなり、糖質代謝の割合が増えると呼吸商が大きくなります。

呼吸商と糖質代謝・脂質代謝

私達のエネルギー源は糖質、脂質、タンパク質ですが、タンパク質は計算が複雑なのと、生体内での代謝は糖質、脂質の割合が高いので省略します。

糖質代謝

まず、私達の体の主なエネルギー源は糖質です。糖質代謝の時にはグルコースからエネルギーを得ています。

グルコースからエネルギーが生成されるときの化学式

C6H12O6 + 6O2 + 6H2O → 6CO2 + 12H2O

を見ると分かるのですが、6個の酸素(O2)から6個の二酸化炭素(CO2)が作られています。つまり、エネルギー源が全て糖質だったとしたら、呼吸商は1になるということです。

脂質代謝

次に脂質代謝の場合の化学式は脂肪酸の種類によって若干変化しますが、全てパルミチン酸だとすると、

2C51H98O6 + 145O2 → 102CO2 + 98H2

となります。145個の酸素から102個の二酸化炭素が作られるので、脂質代謝の呼吸商は、102/145≒0.7となります。


私達の体では糖質、脂質、タンパク質の代謝が混在しているので、呼吸商はおよそ0.86くらいになるということです。生理学での計算では0.8を使うことが多いです。

呼吸商を考えていたら気付くこと

脂質代謝は効率が良い

脂肪はもともと高エネルギーだというのはご存じだと思います。ダイエットの世界でもよく語られるお話ですが、炭水化物1gから得られるエネルギーが4kcalであるのに対し、脂質1gから得られるカロリーは9kcalです。

脂肪は太る、体に悪い、といったイメージがつきがちですが、代謝の観点で言えば脂質はエネルギー効率がいい

呼吸商から見て分かるように同じ酸素量でも発生する二酸化炭素の量が少ないというこです。

ウォーミングアップは何のためにするか?

体を動かして温めることでエネルギー効率が良くなる、体が動きやすくなる、と言ったイメージは理解出来ると思いますが、本格的なウォーミングアップでは血中の糖を使い切って、脂質代謝にしておくのが一つの大きな目的です。

脂質代謝にすることによってエネルギーの効率が上がって、理論的には運動効率もアップするからです。

筋トレ後に有酸素運動すると効果的

筋トレは無酸素運動とよく言われますが、血中の糖質+筋肉グリコーゲンがエネルギー源として使われます。

また、有酸素運動は20分以上続けないと脂肪が燃えないとよく言われますが、これは最初の20分間は血中の糖質が主にエネルギーとして使われるので、20分経たないと蓄積された脂質は代謝に回ってきません。

筋トレをしてから有酸素運動をすると、血中の糖質が燃焼されているので、効率よく脂肪燃焼することが出来ます。また、上に書いたように脂質代謝は効率が良いので、きつさも感じにくいんです。

最後に

一応、あくまで、理論上の話です。

でも、最近私は自分がジムで筋トレ→有酸素をやっているんですが、筋トレ後の有酸素ってそんなにきつくない(気がする)ので、呼吸商の話を思い出して書いてみました( ´艸`)

良かったら参考にしてもらえたら嬉しいです(*・ω・*)

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エイミー
手術室にこもって麻酔かけてるお医者さん。投資や経済学に興味があって、仮想通貨やブロックチェーンなどのテック系にも興味があります。書きたいことをつらつらとブログに綴る雑食趣味ブロガーです(*´艸`)最近は医療系ブロックチェーンの解説とかもしてます。 詳細プロフィールはこちら Twitterも→Follow @amy_honobono