不動産

新築マンション投資が売りにする節税ってどうよ?高収入なら効果大ってホント?

前回の記事では不動産投資が節税になる仕組みを初心者向けにまとめてみました。

[kanren postid=”199″]

結論としては、「私みたいな個人の一般投資家には不動産投資は確かに節税になるけど、ほんとに収支の出る不動産は節税にはならない」ということです。

「ローン組んでて実際自分の支出はほとんどないけど、なんか確定申告したらお金が返ってくる」というのを節税と言ってますが、実際は「高い買い物をした分控除がついてるだけ」です。

ところで、本日の話題。私以前お話を聞いたことのある新築マンションの営業マンさんからこう言われました。

「エイミーさんのようなある程度の年収のある方でしたら、絶対に新築マンションの方が良いです。節税の効果が高いですからね。」
「節税効果の高い5年間だけ所有して売却してしまう手もありますよ」

うーん…でも新築はほんとに採算が取れるのかどうも信用出来ないと私は思っているのです(;´Д`)

何を見ても新築マンション投資を勧めるのって営業マンさん以外いないですし。でも「年収のある方は」というのは少し気になったので調べてみることにしました。確かに私は平均年収よりは高めだと思うので、実際のところをきちんと計算してみようと思うのです。そして5年後に売却する戦略が本当に通用するのか、も考えてみます。

ただ、私は税金とかに関しては全くもって専門ではありませんので、計算はかなりざっくりですのでその点ご了承いただければと思います。

減価償却費の計算方法

まず、節税で一番大きなポイントとなるのは減価償却費なので、減価償却費の計算を確認しておきます。

  1. マンションを土地と建物に分ける
  2. 建物をさらに躯体と設備に分ける
  3. 利用可能年数を調べる
  4. 減価償却費計算

細かい計算方法はインターネットでもいろいろな所に公開されているはずなので、今日は省略しようと思います。

というわけで、これから新築マンションの例をとって、高年収の場合の節税効果と、それを踏まえて本当に新築マンション投資は採算が取れるのかを計算してみましょう(*´艸`)

計算例

新築ワンルームの節税額を計算

例. 新築RCワンルーム2420万円のマンション

これは実際に売りに出されていた新築ワンルームです。家賃保証はいらないと個人的には思ってますが、多くの新築マンション販売ではつけられてることが多いようなのでつけてます。

  • ローンは金利1.65%の35年ローン、頭金はなしとします
  • この条件で計算すると毎月の返済額は¥75,887
  • 初期費用は約70万円で計算(初年度の固定資産税、不動産取得税、その他事務手数料等)
  • 家賃¥72,900(家賃保証付)
  • 管理費・修繕費¥6240

まずは減価償却をざっくり計算します。ここでは計算しやすいように、建物・土地、躯体・設備もざっくり分けてみます。

  1. 土地920万円、建物1500万円とします
  2. 躯体1000万円、設備500万円とします
  3. RCの新築なので躯体は47年、設備15年が耐用年数です。
  4. 計算してみます

http://keisan.casio.jp/exec/system/1339479951

http://keisan.casio.jp/exec/system/1256183644

減価償却と金利の返済比率の計算はこちらのサイトの自動計算でやってみてます。

こんな感じになりました!ここから初年度の不動産収支を計算してみることにします!

初年度の不動産収支は-160万くらいになるようです。

国税庁の所得税の速算表から、年収毎にどのくらいの節税効果があるか計算してみます。給与所得控除等を差し引いた所得で考えます。不動産投資のローンでは大体年収500万円くらいが目安になるようなのでその辺から計算してみます。

所得380万円(年収約500万)の人

不動産を持たない場合の所得税額は約33万円
-160万で所得が220万円になった場合の所得税額は約12万円
差21万円

所得500万円(年収約700万)の人

不動産を持たない場合の所得税額は約57万円
-160万で所得が340万円になると、約25万円
差32万円

所得800万円(年収約1000万超)の人

不動産を持たない場合の所得税額は約120万円
-160万で所得が640万円になると、約85万円
差35万円

所得1000万円(年収約1200万円超)の人

不動産を持たない場合の所得税額は176万円
-160万円で所得が840万円になると、約130万円
差45万円

所得1250万円(年収約1500万円)の人

不動産を持たない場合の所得税額は約260万円
-160万円で所得が約200万円
差60万円

当然ながら年収が高くなれば税率も高くなるので、不動産を持った場合に受けられる恩恵は高くなりそうです。厳密には住民税も安くなるのでもう少し恩恵はありそうですが、多分確定申告で「お金戻ってきた感」があるのは所得税だと思うので、所得税のみ計算してます。笑

確かに数十万円のお金が戻ってくるのはとても大きいですけど、でもこの物件そもそも月々の収支はマイナスです。月々の収支は-¥9,227で、年間10万以上は持ち出しです。しかも初年度は諸経費もかかってますし、次年度以降も固定資産税が5-6万円くらいは年間かかってきます。ともすると、この節税にお得感があるかというと私は疑問です。

そして節税効果は年が経つにつれて減っていき、5年くらい経てば収支はせいぜい-50万程度になります。とすると、年収1500万円で所得税率が33%の人でも、その節税額は16万円くらいです。しかも物件から毎年10万の赤字です。

このほかにもマンションは年数が経つにつれてなにかと費用がかかるようになりますし、修繕費や管理費はあがっていき、家賃は下がり更に収支が悪化してくるのは必然です。

とすればおそらく5年もすれば節税で戻ってくる金額と、年間のマイナス収支はトントンくらいになるでしょう。

じゃあ5年経ったら売ってしまえば良い?

で、考えたのは節税の恩恵を受けられそうな5年くらいだけ所有し、5年後に売ってしまうのはどうか?ということです。

この物件を5年間所有した後の残債は¥21,536,727です。これはこの5年間に金利の変動が一切なかったと仮定した場合の話です。というわけで、この価格で売れれば残債はトントンに出来るということになります。

では、今度は買う人の立場になって考えてみます。2160万円のこの物件を買うとします。5年くらいの経過であれば立地が良ければ大きな家賃下落はなさそうなので家賃はこのまま、サブリースの家賃保証もつけたままにします。管理費・修繕積立金も変わらないものとします。

中古物件の場合は金利が少し高くなるので、1.85%、35年間のローンとしておきます。計算すると、月々のローン返済額は¥69,901です。

家賃収入   ¥72,900
月々支払い ▲¥69,901
管理費等   ▲¥6240
——————–
▲¥3,240

です。

さて、中古で毎月¥3,240持ち出しのある物件、買いたいですか?

ちょっと難しいんじゃないかなと思います。サブリースを解除すればなんとかプラス収支に出来るくらいでしょうか?

ちなみに新築マンションのサブリースほどいらないものはないと思ってます!だって新築ですよ!住みたい人いっぱいいるのでわざわざ家賃保証つける意味絶対ないと思ってしまいます。

つまり、5年所有後に売ったとしても、残債を完済出来る価格で売るのは難しそう、ということですね(;´Д`) あとは営業マンさん次第でしょうか。ものすごーーーくやり手の営業マンさんで、この値段で売ってくれる人もいるかもしれませんが正直なんだか売る側の私もだましてるみたいに思えてしまいます。

通常の元利均等返済では、最初のうちは金利の返済割合が高いので、残債はほとんど減っていないのですよね…なので節税効果のありそうな5年だけ持って売るというのも通用しなさそうです。

結論-高収入者にとって新築マンション投資はお得か?

まず、年収500万円程の方にとって新築マンション投資のメリットはほぼないと思います。年間の節税額もマイナス収支を考えれば採算が取れるものではありません。

じゃあ年収の高い人はどうか?

これも「年収の高い人なら新築マンション投資がおすすめ」は成り立たないと思っています。やっぱり新築って結局高いだけ。高い買い物してるから最初のうちはいっぱい控除ついて税金が戻ってきてるだけです。

なので余程掘り出し物を見つけない限り、今現在普通にセールスされている新築マンション投資で利益を得るのは難しい、という結論でした。

ABOUT ME
エイミー
手術室にこもって麻酔かけてるお医者さん。投資や経済学に興味があって、仮想通貨やブロックチェーンなどのテック系にも興味があります。書きたいことをつらつらとブログに綴る雑食趣味ブロガーです(*´艸`)最近は医療系ブロックチェーンの解説とかもしてます。 詳細プロフィールはこちら Twitterも→Follow @amy_honobono